「ハウルの動く城」二回目の感想・前編

ハウルの動く城 [DVD]

ハウルの動く城 [DVD]

やっぱり時間がたってしまっているので
記憶を頼りに書く。
ごめん、これ本当は恋愛映画だったのね。
確かに、ハウルとソフィーは初めて見たときもくっついていた。(当たり前だが)
なんていうか、恋愛映画って、本当に気づかなかった。
あと、お話がとてもわかりにくい、というかほとんど説明がない。
物語を物語る感じには作っていないのだ。
 
ルパン三世カリオストロの城
一回目に見たときはすごい面白かった。
二回目に見たときは面白かった。
 
天空の城ラピュタ
一回目に見たときはすごい面白かったし、わくわくした。
二回目に見たときは面白かった。
 
千と千尋の神隠し
一回目に見たときは映像に驚かされた。
二回目に見たときは綺麗な映像だとおもった。
 
ハウルの動く城
一回目に見たときはふーんと思った。
二回目に見たときはじわじわときた。
 
昔の宮崎アニメって繰り替えし見て筋書きを知っていても面白いと思ったが、
最近のはそうでもない。
筋書きを知っていて、映像に驚かなくなると、なんか退屈になってしまう。
なんていうか淡々と、出来事が続いていくというか。
 
鴻上尚二さんが、宮崎アニメのプロデューサー鈴木敏夫さんと対談して、
宮崎さんは物語を描かなくするようになったが、それでいいのです云々と
いうようなのを読んで納得した(「ドンキホーテのなんとか」より。タイトルは忘れた)。
情報をわかりやすく伝えて物語を紡ぐことをせず、
見る方が考えないと理解しにくいように作っている。
 
ハウルの動く城」はなんとも賑やかだけど寂しげな音楽ではじまる。
これ、なにかに似てるなーと思ったら、サーカスの音楽に似ているんだね。
お祭りの日(本当は出陣の祝い)、地味な服を着て、仕事に精を出す女の子。ソフィー。
継母は店をソフィーにまかせたまま、義妹は優しいけれど自分と違って器量よしで、
コンプレックスを刺激される存在。
他の娘たちのように着飾ることもせず、父が残した店というだけで帽子の仕立て屋をしている。
帽子に小さな華飾りをつけることだけが、唯一自分に許されたおしゃれだと考えているよう。
ただ、そんな帽子を被り、姿見に自分を映す自分自身にさえ、
「べぇ」ってしてしまう。それは自分に不似合いな行為だとでも言うように。
兵隊にナンパされるときも、「子猫ちゃん」でなく「子ネズミちゃん」と呼ばれてしまう。
そんな女の子がハウルと出会う。
ハウルは本当は派手好きで無責任で見栄っ張りで小心物。
最初にソフィーを助けたときも、あんな派手な方法をとらなくても良かったのだろうけれど
派手好きなハウルはやってしまう。
そしてソフィーは「荒野の魔女」に目をつけられて老婆に変えられてしまう。
最初こそ驚き、そして老人の体というものの具合の悪さにびっくりはしたものの、
あるいはソフィーは一面で安心したのかもしれない。
おばあさんは綺麗で無くてもいい存在だから。
 
特に実家に住んでいる人、こんな事考えたこと無いかな?
冷蔵庫と電子ポットと電子レンジとバストイレがあれば、この部屋だけでくらしていける。
それがハウルの城の象徴なのかもしれない。
ハウルの城に無理矢理住み込みを決め込むソフィー。
部屋中の掃除をはじめる。
そんな婆さんに対して、ハウル面と向かっては話さない。マルクルに向かって、
「掃除も大概にするように掃除婦さんにいっといて」
  
ハウルは昔、好きな娘さんに振られたことがあるようで、以来髪を金髪に染めていたらしい。
「こんな変な色になっちゃったじゃないか」というところでちょうど茶髪色になるところに、
そこはかとない悪意を感じる。
美しくなくては生きていられないとつぶやくハウル。ここら辺が見栄っ張りというかなんというか。
  
王様の呼び出しに対して、ソフィーに行くように言うハウル
ここら辺の無責任具合ってちょっと凄いよね。
「さぁ、いきたまえ!!」っていったって。