おそらくは宗左近の罪

いしかわじゅんさんは「業界の濃い人」が文庫化された際に「校歌でゆんゆん宗左近」を
オマケとして追加している。
宗左近という人がいて、主に校歌の作詞をしているのだが、
その校歌とはあまりにもアンマッチな内容の詞を紹介しているのだ。
これを読んで、ピンと来たことがある。
中学に入学して初めての音楽の授業の日、先生が卒業した小学校の校歌を
歌いなさいとおっしゃった。うちはマンモス中学だったので
3つぐらいの小学校から生徒があつまっていたのだ。
各校の卒業生比率は平均13人程度か。
そしてそれぞれの学校の校歌を歌った。いわゆる普通の校歌らしい校歌を。
ところが、そのクラスには一人だけ小学校卒業と同時に引っ越してきた奴がいたのだ。
仮にH君と呼ぼう。当然、彼は一人で校歌を歌うことになった。
確証は無いし、今となっては確かめるすべも無いが、
彼の学校の校歌は宗左近の手によるものに違いない。
一人だけで、40人ぐらいの前に出て、顔を真っ赤にしながら大きな声で歌うH君。
途中までは普通の歌詞だったように思うのだ。
ところがイキナリ
「…ランラランラランラランラン…」
と歌ったのだ。
教室は大爆笑!!
先生までも(笑いながらだが)
「ふざけてんのか」と言ったが、
「本当にこういう歌なんです」とキレぎみに答えるH君。
 
「校歌でゆんゆん宗左近」を読んだときに、
このときの記憶が鮮やかによみがえってきた。
卒業小学校の校歌を歌うなんて、最初の音楽の授業でやるのは、
割と多い事ではないか?
宗左近さん、あんたのおかげでトラウマを負った転校生は、相当いると思うぞ!!