仮面ライダー響鬼

少しおちついて、仮面ライダー響鬼三十三之巻について書いてる。
他の人のブログなどを見てみた。
いささか驚いたが肯定派もいるのね。
 
肯定派の方の場合、キャラがいっぱい出て絡んで、それぞれの
やり取りが面白いという感じ。
もちろんそういった人でも音撃無視とか、回復に一ヶ月とか
魔化魍のCGの出来が悪いとか、それらについては触れているのだが、
それは些細な事と感じるらしい。
 
それよりも、ED「少年よ」につながる部分とか、
スーパー童子たちのやりとりがよいという意見の方が大きいらしい。
色々な見方もあるものだなぁと思うし、あって当然、なのだが。
オレにとってはそんな些細な面白部分はどうでもよい。
オレが絶望したのは、まさにその回復に一ヶ月かかるというくだりなのだ。
 
三十二之巻と三十三之巻の間の時間がどれくらいあったかは分からないが、
魔化魍出現頻度が落ちたという前フリはあったとして、
弾鬼達が一ヶ月間近くも変身が出来ないことを
おやっさんに報告しないわけがないし、あったら大人として、
組織として問題だ。
(おやっさんに報告→吉野と相談→緑なりを派遣して原因と対策究明→
(実際に効き目があるのか知らないが、歌唱指導の為に)小暮派遣→
回復可能なことが判明という流れが起こると思われる)
 
また、響鬼たちも同じ変身不可能状態になったが、
特訓と歌う事でおそらくごく短期間で回復してしまえる程、
弾鬼達と響鬼達との間に体力差があるとも思えない(響鬼はともかく、
轟鬼も変身できるようになったのだから)し、
そもそも一ヶ月が数日に縮まる程の力の差があるようでは
鬼としてやっていけないはず。
 
仮に回復に一週間というならば、分からないではない。
一週間なら弾鬼達もちょっと様子を見ていた
(三十二之巻から三日で回復ぐらいなら)ギリギリ許されると思う。
小暮が「一週間もジット待つというのか、愚か者!! 
逆に鍛えて体力をつけるのだ」とか言えばつじつまが合うのだから。
 
今までの流れを知っていれば、回復に一ヶ月かかるというくだりが、
どれだけおかしいか分かる話だ。
それを確認しない脚本家であり、またそれをチェックする機構もなく、
スタッフの誰一人として、それを指摘しないありよう。
それはある意味、今までの響鬼とそこまで繋げては作らないという宣言だ。
オレにとってそれは絶望に値する。
 
そもそも、人間が変身して鬼になるなんてありえない。
ましてや童子や姫や魔化魍なんているはずもないし。
これは特撮テレビ番組で、作り話なのだから、
そこで生まれるちょっとした嘘や間違いなんて気にするほうがおかしい。
それよりもアクションシーンや出演者のコミカルなやり取りを楽しめばいい。
 
具体的にそう考えているかどうかは不明だけど、
三十三之巻を楽しめたという人は
そういう部分をもっているのではないかな。
 
だけど、オレにとっては響鬼の位置づけはちょっと違うのだ。
もちろん、響鬼の世界が現実でないということは分かっている。
分かってはいるが、放送開始して7ヶ月が経過した時点で、
現実と地続きに響鬼の世界が繋がっていてくれないかなぁ、と。
 
実際に、今まで生きてきて、この眼であやかしを見たことはない。
でも。
もし、この世界に妖怪や、人に仇なす「すだま〈魑魅〉」(例え
自分が捕食対象であるとしても)と
それを退治るものが存在していないなら、
この世はなんと寂しいことだろう。
だから、いてくれまいかと祈るのだ。
 
そして、与えられるほぼ矛盾のない情報(古から存在する
猛士達の働きと、彼らと連携する各地に存在する鬼達。
それらが、相互にカバーしながら機能している等々)によって、
響鬼という世界の現実感はゆっくりと増していった。
 
そうして響鬼という世界が膨れあがり、
ただのテレビ番組という枠から現実に近づいた矢先に、
その世界を崩壊させる出来事が起きた。
 
祈りは届かす、現実の隣にあった響鬼という世界は、
再びテレビ番組の中の出来事に戻されてしまった。

(続く)