「ヒカルの碁」最終話

ヒカルの碁」が終わってしまった。(オレ的には最終回でなく、最終話)
暖かなひかりににつつまれてゆくような、
このうえもない素敵な終わりかた・・・。
この後も、連載自体は続くようだけれど、
それは少し違ったものになってゆく気がする。
いくつも張られた伏線もあり、さらに盛り上がってゆきそうな
予感をはらんではいるのだけれど。

ジョジョがいまいちもりあがれず、ワン・ピースや
遊戯王もなんとなく乗り切れず、マンキンはすごいなと思う反面
ちょっと引いてしまったりで。
今ジャンプで一番面白い漫画といえばこの作品だった。

終わるだろうという思いは、すこしまえから感じていた。
ヒカルが消えてしまった佐為を探して、いろいろな場所を
訪れていたとき、
『作者達はこの先、二人を
どうやって再会させるつもりなんだろう』って思った。

というのは、もし二人を再会させてしまったら、
きっとこの物語自体が死んでしまうだろうと思えたからだ。
『だけど、掲載紙はあの少年ジャンプで、これからアニメ化も
しようというところだから、佐為を返さないわけには行かない
だろうな、大人の事情として』
だから、作者達はどんな手管で佐為をかえすんだろうという
ことをちょっとイジワルに考えていた。

でも、ヒカルが佐為をああいう形で見つけてしまったとき、
『もう佐為は還らないんだ・・・』
俄かには信じがたかったけれど、はっきりとそれがわかったんだ。
それは読者には驚きをともなうけれど、
作者たちのすばらしい英断だったと思う。
同時に「ヒカルの碁」に終わりの予感を抱かせた。

ヒカルの横顔は、いつのまにか
すこしづつ精悍に(ちょうどアニメがはじまって
いたから、よけいに気づかされたのだけれど)なっていった。
少年の時代が終わろうとしている。
 

ヒカルの碁 15 (ジャンプコミックス)

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