ちょっと眼がまわったりしてね『僕の彼女を紹介します』

昨今の泣かせ映画ばやりの風潮、あんまり感心しませんな。ぷんぷん。
な〜んて思っている私は、「世界の中心で愛を叫ぶ」も「恋火」も
いま、会いにゆきます」も「解夏」も一向に興味なし!!そんなのやるぐらいなら劇場版「ULTRAMAN」の上映館を増やせと
いいたい(上映時期は違うけど)。
だが、今日からは違います。
僕の彼女を紹介します』の上映館を増やせ!!
(許せ円谷、お前は一人でも生きていける子だ。
あとネクサスをなんとかしたほうがいいぞ)
 
以下、ややネタバレもありなので注意。
 
 
 
 
 
というか、ええ、まんまと数回(すうかいだよ)泣かされましたとも。
(ちなみにいわゆる韓流ドラマの泣きとは、この映画の泣きはテイストが
違うと思います)。
でも、その数倍も笑わせられたり。
 
とにかく脚本の力が凄すぎ。
調べてみたら、監督/脚本は「猟奇的な彼女」と同じ、クァク・ジェヨン氏。
なるほど納得。「猟奇的な彼女」のときにも感じた脚本力はしかし、
今作の方が上回っている気がする。
 
主演女優は「猟奇的な彼女」にも主演したチョン・ジヒョン さん。
そして男優は「火山高」に主演したチャン・ヒョクさん(あの、金髪で死闘を繰り広げた
彼ね。って、ええっ、嘘。全然気づかなかた。じゃあ、あの能力で落石なんとか
しろよって、突っこみを見ながらいれたかったね)
 
ちょっとした行き違いから熱血/猟奇的警官ヨ・ギョンジン巡査
(明示的に彼女とします)に逮捕されてしまうコ・ミョンウ教師(彼氏)。
彼氏の証言により、真犯人は捕まるも彼女は誤認逮捕について彼氏に謝ろうとしない。
その後、学校の青少年補導係として警官の彼女と組まされた彼氏は、
手錠をかけられて逃げられないようにされたまま、ハシゴがわりにされたり
一緒に大立ち回りをやらされたりと散々な目に。
そんなおとなしい彼氏だが、彼女が理不尽な目にあったときには突如豹変して、
彼女のプライドを救ったり。
二人の距離はもう一つのエピソードで一気に縮まるのだが、
それは自分の目でみてね。
 
一つ一つの細かいエピソードの積み重ねで二人の日々をつづる
脚本は・・・いやもうなんか書くだけでもったいないので書かない。
物語を紡ぎたい人、紡ごうと考える人にはそうとう参考になると思う。
是非そこらへんを自分の目で確認して欲しい。
例えるなら、ジグソーパズルを組み立てるとできあがる真球体。
顕微鏡をのぞいてみればそこにある六華。
1の重が2の重を、2の重が3の重を引き立てるというか。
(ん、ちょっと例えがへんだぞ?)。
 
いや、突っこみどころが無いわけではないのだけれど。
曰く、ハリウッド映画に似てるのあるじゃん、とか
(もはやオリジナリティだけで成立する物語はないだろうというのが私のスタンス)
 
曰く、欧米人以外がそれをやるのは恥ずかしいんじゃないの、とか
(多分日本人がやっていると考えると相当恥ずかしいのだが、
韓国映画というフィルターのせいか恥ずかしくない)
 
曰く、それはありえないんでは?(ナウシカカンフー・ハッスルほどじゃないけど)。
(こちとら「ULTRAMAN」がありなんだよ)
そんな突っこみはすべて放置。
 
唯一の問題点といえば、X JAPANの「Tears」を自分が知っているという点。
日本初、韓国映画に劇中歌として挿入されているこの歌、とてもよいシーンで流れるし、
いい曲なんだけど、もう別なものとして脳内にインプットされているので、
引っかかりが起こるんでした。
 
監督/脚本のクァク・ジェヨン氏は劇中にミス・ディレクションを起こすのが
お好きなようで、「猟奇的な彼女」に続いて、今回もいくつか振りまいている。
そこら辺も楽しんで欲しい。
ラストのちょっとしたアレも含めて。
 
最後に。
この映画、英題もついている。
WindStruck
エキサイトで訳してみると、「風は突然起こりました」。
 
風を見てみてください。
 

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※だが、そんな泣ける映画を見終わった十五分後、
鉄拳5」にいそしむ俺の姿があるのだった。