「ビル・ヴィオラ: はつゆめ」展を見た

http://www.roppongihills.com/jp/events/bill-viola.html
六本木ヒルズ53階で行われている美術展。
東京シティビュウ(展望フロア)にあがった人は
無料で入れます。(といっても、展望フロアの入場料は1500円)
別の用事で昇ったわけで、
ビル・ヴィオラ: はつゆめ」展に対する予備知識はゼロ。
果たしてそこで展示されていたものは、人間が動いている映像でした。
それも高速度撮影されているがゆえに、
モニターやスクリーンに写された彼らの動きは超スローモーション。
観覧者はその映像がジリジリと変わってゆく様子を、
見つめ続けるしかありません。
 
で、一作品を見終わるのに短くとも5分ぐらいかかるわけ。
そして、移り変わる映像を見ている間に、後頭部(脳内)に
チリチリ感が沸き起こってくるのですよ。
それは、その映像がなにを表現しようとしているのかを理解しようとして、
そして、理解したうえでそれが移り変わっていく映像に
物凄く圧倒されてゆく感覚なのです。
 
そこに写されているのは演者の表現なのです。
おそらくは一流の演者の方を連れてきて、カメラの前で
パフォーマンスさせているとは思うのだけど、
(あれが名もなき、演者であるならば、
アメリカ演劇界の層の厚さたるや創造もつかない)
彼らが「用意、スタート」であれを表現しているのだという事実に、
なんか打ちのめされ感を感じてしまいました。
 
もちろん、そういうのばかりでもなく、
圧倒的な物量が支配する映像や、絹をカーテンのように何枚もつるし、
前後から映像を投射したときに見える様子もあります。
 
一番凄いと感じたのは、最後の展示の「ミレニアムの5天使」でした。
なにが起こっているのかわかった時の、その途轍もなさ感は脱帽です。
 
惜しむらくは、展示は映像がずっとループしているというものなので、
良いタイミングで室内に入れるかどうかは、
その人の運しだいということになります。
(いきなりネタバレシーンからということもありえる)
 
あと、これを見ると脳のチリチリ感と、
ずっと立って見ていることもありかなり疲れます。
まじめに全部見たら数時間かかります。
椅子が空いていれば座ったり、
床に座っても問題ない格好で行く手もアリ。
 
このときは、
「上野周辺を徒歩1時間」 +
「ママチャリで上野から六本木間を移動」 +
「展望フロア3周」
していたので、へとへとになりましたとさ。