「日本沈没」を読む

日本沈没〈上〉 (光文社文庫)

日本沈没〈上〉 (光文社文庫)

日本沈没〈下〉 (光文社文庫)

日本沈没〈下〉 (光文社文庫)

古書店小松左京氏の「日本沈没」上下巻を購入していたものを読み終わる。
今まで、テレビ版は見たことがあるが、映画版は未見。
小説も未見だった。
 
入手したものは、昭和48年にカッパノベルで初版が出版されたもの。
上のアマゾン画像とはカバーイラストが微妙に異なっている。
何より驚くのはその版数で、初版から八ヶ月で285版になっている。
一回当たりの版数が現在よりかなり少ないのだろうとは思うが、
もの凄い数字で、当時の「日本沈没」ブームを忍ばせる。
現在だとどれぐらいの版数になっているのやら、想像がつかない。
 
今回、読んでみて驚いたのは、そもそも舞台が本が出版された時代より
近未来を舞台に設定されていたこと。
(といっても基本的には昭和の都市が舞台となっているが、その当時は
計画のみのはずの建物や、現在も実現されていない交通機関とかが存在している)。
 
そして、村野武憲由美かおるが演じた作中人物は思っていたほど活躍しない。
というか、由美かおるにいたってはほとんど活躍しない。
 
ある意味タイトルが内容を現しているのでネタバレも何もあったモンじゃないが
最終的に日本が沈没して話は終わる。
だが、下巻の最後に「第一部 完」の文字アリ。
ええっ〜!! これって、第一部なのぉ〜!!
調べてみたら、構想はあったらしいが結局出版はされなかったらしい。
 
今となっては時代がずれてしまってストレートな続編というのは難しいだろう。
かわぐちかいじ氏の「太陽の黙示録」辺りがある意味続編か。
まぁ日本は沈没してないけど。
 
さすがに日本が沈没するような事はないと思うが、
昨今の地震ばやりのなか、大地震発生時の東京にどのようなことが起きるのか、
読んでみるのも悪くない。