レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」を見る。
全然期待していなかったのだが、
原作自体が世界中で売れた本で、しかもアカデミー賞のメイクアップ賞も
受賞(ノミネートも4部門)しているような作品なのね。
 
原因不明の突然の火事により、両親を亡くした三人の兄弟の物語。
長女のヴァイオレットは14歳にして天才発明家、長男のクラウスは絶対記憶の持ち主で
一度読んだ書物の内容を忘れない、サニーはまだ幼児だけれど、噛みつくの才能に秀ている。
遺産目当てで子供達の後見人になろうとするオラフ伯爵(職業・俳優)は、かなり異常性のある人物。
三人は力を合わせて伯爵の魔の手を逃れてゆくのだが、
その課程で生前の両親が一体何の組織に関わっていたのか、という疑問を膨らませてゆく。
 
映像はとても綺麗で、CG効果もうまく使っている。
見てるときは気づかなかったが、俳優もジム・キャリー、メリル・ストリーブ、ジュード・ロウ(ナレーション)
といった有名ドコロも出演している。
ただ、映画としては、そんなに面白くない感じ。
長女の発明も現実に即した物だし(現実味はあるが地味)、長男の記憶能力も絵的にみると地味、
幼児の噛みつき能力もちょっとしたアクセントという感じ。
物語も全ての謎が明かされた訳でなく、続編をにおわす感じで終る。
多分、原作ももっと続くのだろう。
 
では、この作品を別に見なくてもよかったかと問われれば、
いや、見て良かったと答えざるをえない。
それは、ただ一点、エンドロールのできによる。
エンドロールにほぼ白と黒のみの線画のようなアニメーションを持ってきているのだけど
これの質がもの凄いのだ。
そのエンドロールを理解する為に、
映画を見ておかなければならないという逆転現象が発生する(オレだけかもしれないけど)。
本編よりもエンドロールのほうが、伯爵の異常性を際だたせている。
機会があれば、見てみるといいかもね。