こうの史代 夕凪の街桜の国

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

こうの史代さんは、「ぴっぴらさん」とかで、
私にはお馴染みの方だったのだけれど、
少し古めかしい絵柄で、ほのぼのとしたマンガのなかに
時折、
胸を突くような事が描かれていて
それでもそのあとすぐに笑いが続くという。
そんなイメージがある作家さん。

そんな方がヒロシマをマンガに描かれたという事だけは知っていた。 
この本には三つのお話が描かれていて。
日本の終戦後から現代までに連なり。
 
一読するだけだと話のつながりがわかりにくいのだけれど。
繰り返し読んでみるとその繋がりは分かるのだ。
 
そして、その繋がり方というのは随分と沢山の
今の日本人にも当てはまる繋がりかたで。
 
そうして、「戦後」という言葉があてはまらず
私の目には見えないところで、
静かに
戦争はいまもつづいていて、
いつか奪われるのではないかというおそれの中で
生きている人たちがいることを。
教えていただいた。